AGA治療
AGA治療
ほとんどの男性型薄毛(AGA)の原因が男性ホルモンによる毛髪サイクルの乱れと遺伝であることが80年前に証明されました。
この毛髪サイクルは一生で回数が決まっています。毛髪は生え変わり徐々に細くなりやがて毛根が縮小し消失する-。
一度失われた毛根は復活することはないため、毛根が残っている内に、この毛髪サイクルを正常にすることで正常に発毛し成長する毛髪を増やすことが大切です。
現時点で科学的根拠のあるAGA治療薬は3種類で、日本でのみ薬で認可されているのは2種類(フェナステリド、デュタステリド)だけです。
残りの1つはミノキシジルで日本では塗り薬でのみ認可されています。作用機序は毛髪サイクルを乱す(毛髪が太く・長くなる成長を妨げる)男性ホルモンの作用をブロックすることです。
Qどのくらいの効果があるものなの?
日本人の臨床試験では1年後に58%、2年後に68%、3年後に78%の改善効果(写真での効果判定)が認められました。発毛数は年毎に減りますが太く成長することや伸びるスピードが上がることで改善が続くとされています。海外では5年の継続で90%に抜け毛減少や進行予防効果がみとめられました(「毛髪科学最前線 坂見智 2019」より)
(上記画像はすべて「毛髪科学最前線 坂見智 2019」より)
当院ではフェナステリドとデュタステリドの2種類を扱っています。効果の高いのは作用部位が2種(還元酵素1型2型とも)あるデュタステリドです。
デュタステリド0.5㎎ | フェナステリド1㎎ | |
用法・容量 | 1日1回1錠 | 1日1回1錠 |
作用機序 | 5α還元酵素Ⅰ,Ⅱ阻害 | 5α還元酵素Ⅰ,阻害 |
価格(1カ月) | ¥8.800(税込)30錠 | ¥2.800(税込)28錠 |
価格(3か月) | ¥26.400(税込み)90錠 | ¥8.400(税込)90錠 |
特徴 | フェナステリドの後に開発され理論的には効果が高い。その分副作用も若干多いとされる。 | 初めて発毛効果が確認された内服薬。安価であるが効果が乏しければデュタステリドへの変更を。 |
*初診時には別途 診察料 ¥2.000(税込)が必要です。
Q副作用は何がありますか? 初期脱⽑:薬の服⽤開始から一カ月ほど経過した頃に発⽣する⼤量の抜け⽑のこと。髪にはサイクルがあり成⻑期〜退⾏期を経て休⽌期に⼊り抜けていきます。通常髪が成⻑してから抜け落ちるまでの期間は4~6年だと⾔われていますがAGAを発症している男性のサイクルは乱れており成⻑期が数ヶ⽉〜1年と極端に 短く全体的な割合として休⽌期に⼊った髪の⽑の⽅が多くなります。初期脱毛はお薬によって乱れていたヘアサイクルが正常に働き休⽌期だった髪が⼀気に抜けるからではないかと⾔われています。それは薬が効いている証拠でありその後服⽤を継続すると2、3ヶ⽉後には抜け⽑が治まり新しい髪の⽑が⽣えてきます。そこで服⽤をやめてしまうと元の状態に逆戻りしてしまうので、初期脱⽑の期間は割り切って我慢したほうが良いと⾔えるでしょう。
肝機能障害:まれに食欲不振、全体倦怠感等の症状があらわれる可能性(肝臓で代謝されるため肝臓の酵素が上昇した報告あり)があり、健康被害(場合によってはごくまれですが死に至る)が出る場合があります。日本国内の市販後調査では(数十万人が内服されていると考えられる中)十数例に重篤な肝機能障害が報告されています。初回受診時に健康診断などの血液検査(AST(GOT)、 ALT(GPT)、γGTP など)の結果をお持ちになるか肝機能の検査を受けて頂くことで 安全にお薬を服用することが出来ます。
性機能障害:性欲減退や勃起力の低下、精液量減少など。ある報告では50人に1人の割合でおきたとされましたが「自覚症状」で日常生活に大きな影響はないレベルとのことでした(そもそも性欲に関与する男性ホルモンを減らす作用はないので理論的も支障はきたさないものと考えられます)。
他の副作用:発生頻度0.1%以下 皮膚症状(過敏症、かゆみ、蕁麻疹、発疹)、循環器障害(血管浮腫、顔面腫脹)、口腔・耳鼻科症状(舌・口唇・咽頭腫脹)、発生頻度0.01%以下 泌尿器症状(睾丸痛、血精液症、男性不妊)、腎機能障害、めまい、女性化乳房・乳房痛
前立腺腫瘍マーカー低値:服用中に前立腺がんの検査を受診される場合には医療機関にこのお薬を服用していることを忘れずにお知らせ下さい。副作用とは異なりますがお薬を服用中の患者さんでは、前立腺がん検査で測定 される※PSA という検査の値が約50%低下することが知られています。このことから、 前立腺がん検査の際は測定した PSA 濃度を2倍した値を目安として評価する必要がありま す。 ※PSA は Prostate Specific Antegen(前立腺特異抗原)のことで、前立腺から分泌される 物質です。PSA は本来、前立腺 から精漿中に分泌され精子が体外に放出される時に精漿中のゼリー化成分である蛋白を分 解して精子の運動性を高める役割を果たします。したがって、健康男性であれば、血液中に PSA が浸出することは非常に稀です。しかし、前立腺に疾患があると血液中にも PSA が浸 出し血液検査で測定が可能となります。