漢方内科|そらこころ診療所|王寺駅の心療内科・精神科・漢方内科・整形外科

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漢方内科

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はじめに

明治以前の日本では漢方が病気治療の本道でした。
風邪、腹痛、気分がすぐれない…1000年以上人々に使われてきた漢方医学は安全性に優れています。伝統医学のいいところを現代に合わせて上手に利用できればと思います。
特に心療内科・精神科でよく聞く「強い西洋の精神病薬は使いたくない」とか「通常の内科検査では異常がないといわれたけれどやっぱり不調で…」などの訴えに対応できる漢方のお薬が数多くあります。

漢方内科とは

漢方は現代西洋医学と異なる診断や治療のシステムがあります。
西洋医学は機械的なメカニズムを重視しますので誰にでも「この症状にはこの薬」と決まることが多いですが漢方では同じ症状でも一人一人に違うお薬が出ることがあります。
それはAさんにはAさんの、BさんにはBさんの体質や他の心身症状があるためです。一つの症状に囚われず全体を見てバランスの乱れを整える処方が決まるのです。
通常の血液検査や画像検査で診断がつかない、または改善しにくい症状でも漢方薬でよくなることが少なくありません。
また漢方医学も症状の緩和を第一の目的としますが「未病」というまだ病気となる前の心身の不調を整えるという考え方があります。この段階で生活習慣の改善や治療を行い病気を回避し健康を増進する予防医学の側面があるのです。
具体的には「冷え性」に対する漢方薬や「夏バテ」に効果がある漢方薬などがその例です。
また治療は内科、皮膚科、小児科、婦人科など科目は関係なく全ての身体症状を対象としています。
症状があっても西洋医学的に原因がはっきりしない、西洋医学的な治療で症状が改善しないなどお悩みがある方はご相談ください。

漢方治療の対象となる主な症状

内科系疾患

下痢、便秘、かぜ、吐き気、胃もたれ、胸やけ、頭痛、めまい、食欲低下、病後の体力低下、アレルギー性鼻炎、浮腫み、寝付きが悪いなど

婦人科系疾患

更年期障害、月経不順・月経痛、月経前症候群、月経周期の症状(イライラ、頭痛、めまい、のぼせなど)、肌荒れ、不妊症など

心療内科・精神科系疾患

気分の落ち込み、イライラ、不安神経症、パニック障害、自律神経失調症、不眠、悪夢など

皮膚疾患

アトピー性皮膚炎、かゆみ、じんましん、にきび、しみ、いぼ、爪がもろい 乾燥肌など

その他

排尿トラブル(頻尿や残尿感)、のどの違和感、口の渇き、気象病、こむら返り、ひきつけ、動悸、鼻血、肩こり、痛み、冷え症、男性更年期症候群、虚弱体質など 

漢方内科の治療について

診察はお悩みの症状と生活習慣(食事内容や排泄など)について詳しく伺い、漢方の診察(舌診、腹診、脈診など)をして、陰陽虚実、気血水、五臓、六病位などの概念に基づいた診断をします。
その診断に基づきバランスの乱れを理解し改善点を見つけ漢方薬を処方します。
また症状に悪影響を及ぼしている生活習慣があれば改善に向けた生活指導をします。
※症状・経過に応じて、漢方治療に先立って専門の診療科で精密検査をお勧めすることがあります。

心療内科・精神科疾患

うつ病や不安神経障害、ヒステリーなどは今も昔も、西洋にも東洋にも存在した病です。
漢方的な考え方の「気虚」に対し「補中益気湯」、「気鬱」に対する「半夏厚朴湯」や「香蘇散」などのシンプルな組み合わせから婦人科に多い「瘀血」による精神症状と捉えて「桂枝茯苓丸料」などを処方するなどその人全体のバランスの乱れを整える漢方ならではの実践治療が選択できます。

生活習慣病

肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧症の複合であるメタボリックシンドロームは集積して存在すると生活習慣病としての危険性が高まります。
一方でメタボリックシンドロームは可逆性であり早期から治療介入ができれば動脈硬化性疾患に発展する危険性を減らすことができます。
食事療法、運動療法、ストレスの軽減を目的とした生活が基本になりますがその「未病」の段階での漢方薬使用が健康に寄与すると考えられます。

消化器症状

漢方では消化器を脾胃(ひい)と称しますが、この脾胃の機能低下は以下の4つに分けられ、それぞれのタイプに応じて漢方薬が使用されます。
①消化管の蠕動運動の低下によるもので、食欲低下、下痢、顔面蒼白、声に力がない、倦怠感、脈に力がないなどの症状が現れます。
②消化管の蠕動運動の低下と冷えによるもので、①の症状に加えて、冷感が著しく、温かい飲物を好むようになり、ときに腹痛が出現します。
③消化管の蠕動運動の低下と冷えと熱が関係しているもので、熱による症状として、胸やけ、口渇、口臭、吐き気、乾燥などが認められます。その一方、寒による症状として冷感、腹部のグル音、下痢などの症状が認められます。熱と寒の両方の症状が同等に認められるのが特徴といえます。
④消化不良によるもので、食欲不振、みぞおちの不快感、膨満感、吐き気、げっぷ、呑酸、全身倦怠感などの症状が認められます。

耳鳴り・めまい

突然、周囲がぐるぐる回り、吐き気や耳鳴りを伴う回転性のめまいや急に立ち上がったり、ある方向を振り向いたりしたときにクラッとするめまいには、それぞれの症状に適応する漢方があります。

更年期障害

更年期障害は、あきらかな原因が見当たらないのに「あちらこちら具合が悪い」という症状の訴えが多く、のぼせや動悸、発汗、めまいなど自律神経失調症と密接な関係があるといわれています。
現代の生理学では、直接的要因を女性ホルモンの減少として、ホルモン補充療法が行われます。一方、漢方治療では、ホルモンの減少は自然の摂理と考え、この期間の症状を改善するために症状に応じて漢方薬で対処します。

不眠症

西洋医学の睡眠薬は即効性で確実な効果が期待できる一方、副作用や依存性の問題があります。こうした背景から睡眠薬の減量・離脱を目的に漢方薬を併用するケースや、漢方薬のみを希望する方が徐々に増え不眠に対する漢方治療の必要性が高まっています。

にきび・できもの・湿疹・アトピー性皮膚炎

皮脂分泌が盛んな毛穴にアクネ杆菌(かんきん)が繁殖して化膿する病態がにきびです。西洋医学では外用薬による治療が主体となり重症の場合は殺菌を目的として抗生物質が使われます。
アトピー性皮膚炎は患者様も多く西洋医学的なメカニズム解明とその対処法が日々進歩し大きな恩恵を得ています。
ここでも漢方では皮膚症状もその人のもつ一部の症状と捉え全体のバランスの整える視点から治療薬を選択します。

泌尿器障害

尿路の不定愁訴は頻尿、尿漏れ、残尿感、排尿痛、下腹部痛など多彩な症状があるにもかかわらず、器質的な障害が認められません。このような際、西洋医学では精神安定剤などが用いられますが、症状の改善が得られない場合、漢方治療が適します。漢方医学では尿路の不定愁訴を一種の機能障害と解釈して、全身症状も考慮しながら適応する漢方薬を選択します。

フレイル

超高齢化社会が進む中、後期高齢者の病態としてフレイルやその原因となるサルコペニア(筋肉量が減少すること病態)が注目されています。フレイルは「虚弱」などを意味する「Frailty」が語源で足腰の筋力低下、疲れやすい、やる気が出ない、食欲がないなどの症状がみられる状態をいいます。漢方にはこれらの症状を総合的に改善させるものがあります。